黒坂彩乃の鉄道噺

鉄道のあれこれについて意見や説明、紹介などなど。

【駅名】【路線名】「の」「が」の扱いの難しさ

お久しぶりです、黒坂です。

突然ですが皆さん、JRの「山手線」ってどう読んでますか?

9割以上は「やまのてせん」と読むでしょうし、実際正解です。

では根岸線の「山手駅」はどうでしょう?

「やまてえき」ですね。正解です。

さて、地名や駅名、路線名では「の」「が」を省略して読ませたり読ませなかったり(?)することが多々ありますが、どうしてこのような難しさが残っているのでしょうか。

山手線は1885年に開業した日本(にっぽん)鉄道品川線(赤羽~池袋~品川)をルーツとし、1903年に田端~池袋が開業して全線が出来上がった路線です。全通してから既に117年が経過している路線ですが、現在の区間が「山手線」となったのはそれよりかなり遅れてのことでした。

1901年には山手線は上記の2路線(品川線とその支線)を統合した呼称とされており、これは国有化されてもそのまま呼ばれていました。現在の赤羽線区間を「赤羽線」として分離したのは70年後の1972年の事でした。

 

さて、山手線はなぜ「やまてせん」と誤読されることがあるのでしょうか。理由はいくつかありますが、「鉄道省内では「ヤマテ」と略していた」「それ故かGHQ向けのローマ字でYAMATEと表記した」「戦後20年経った60年台半ばに登場した103系の方向幕のローマ字も当初何故かYAMATEであった」というのが代表的でしょう。(その後YAMANOTE LINEに変更されています)

 

元々東京の地形は起伏が激しく、今でも山の手と下町、台地と低地の区分がはっきりしているが故にこの「山の手」という言葉も馴染み深く残ったのでしょう。山手線も途中で幾つか山越えをしますが(代表的なのは品川区の御殿山でしょうか?)、通過型ターミナルを建設できなかった理由の一つがこれ(故の資金的な問題)らしいです。

 

さて、山手線以外にもこのような名称は多いですが、よく話題に上がるのは三宮と鷹巣でしょうか。

三宮は兵庫県神戸市の実質的な中心街であり、JR(山陽本線)、神戸市交(山手線およびか海岸線)、阪神(本線)、阪急(神戸本線)、神戸高速(東西線)の5事業者が乗り入れる交通の要衝です。しかし駅名はまちまちで、JRが「三ノ宮」、神戸市交山手線(ちなみに読みは「やまてせん」です)が「三宮」、海岸線が「三宮・花時計前」、阪神、阪急、神戸高速が「神戸三宮」(ただし山陽電車内では阪神・阪急を付けて区別)となっています。

秋田県北秋田市に位置する鷹巣も、JRが「鷹ノ巣」、秋田内陸縦貫鉄道が「鷹巣」と分かれています。なぜ変えたし

 

以下余談

地名においては何か問題があって地名を変えたヤバそうな所は「の」「が」が入りやすい気がしますね

希望ヶ丘とか、美しが丘(たまプラーザ駅近く)とか、自由が丘とか…

千歳(北海道)は「シコツ」の名が死骨を連想させるから変えたという特に問題ない理由らしいですが

事件ならまだ良いですが、天災で地名を変えている事もあるので住むときには注意しましょう。

それではまた次回。